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MicroStripes はTLM法による3次元任意形状の電磁界解析ソフトです.
TLM法:空間の離散点間を1次元線路と仮定し,各格子点で散乱行列を定義して波動伝搬を逐次的に計算する手法.
"The Transmission-Line Modeling Method TLM", Christos Christpoulos, IEEE PRESS IEEE Order No. PC3665 が一冊にまとまっている書籍です.
TLM伝達線路行列法入門=非定常電磁界解析のためのもうひとつのモデル=
解析の基礎と多くの事例は,つぎの文献をご参照ください.
『小型アンテナの設計と運用』,小暮裕明・小暮芳江 共著,誠文堂新光社
TLM法とFD-TD法は異なった手法です.しかしいくつかの共通点があり,片方からもう片方の手法が導出できます.
有限差分時間領域法(FD-TD法)は,Maxwellの方程式の時間軸における直接的な解法です.これは空間および時間に関する導関数を求めるのに,シンプルな差分的近似を使っています.モデル化した領域を分離した場所を電界と磁界の2つの別々のグリッドで表現します.
TLM法は能力的にほとんどFD-TD法と変わりませんが,そのアプローチは異なります.解析は同じくタイムドメインで行われ,解析空間をグリッドに分割します.電界と磁界のグリッドがFD-TD法のように交互配置されているのにもかかわらず,1つのグリッドが定まります.そしてこのグリッドは仮想的な伝送線路で相互接続されます.
TLM法は,複合的な境界条件をモデリングする上ではFD-TD法よりもすぐれているといえます.これは電界と磁界両方がすべての境界ノードで計算されるからです.TLM法もFD-TD法も,メッシュが粗い場合は分散誤差を受けやすくなります.しかしTLM法はFD-TD法よりは受けにくく,より精度を保てます.
金属部分の領域はDead Cellsと呼んでいるように,内部はセルが取られません.表面インピーダンスを377オームに設定することで解析上は空間と同様に扱われますので,メモリーや解析時間の節約になります.ただし解析上影響のない領域,例えば同軸ケーブルの周囲等に限られます.
Version 5.5からは,伝送線路のポートの設定がより簡単になりました.Version 4.0以前をお使いのユーザは,以下を参照してください.
手順は
(1) Sパラメータを求めるときに,1ポートにつきoutput pointsが2点必要になります.
Sパラメータの結果がおかしい場合の原因は?
上記のガイドラインにそっていてもSパラメータの結果が1を超えたり,大きな値になった場合,原因としては,ポートを示すoutput point2点の記述順が間違っていることが考えられます.
Version 5.5からは,直接設定できるようになりました.Version 4.0以前をお使いのユーザは,以下を参照してください.
.geomファイルでは表面インピーダンスを設定しますので,直接ではありませんが,表皮の厚さと導電率から,Z=1/(表皮の厚さ*導電率)で設定できます.
TLM Cutoff(上限)周波数はマニュアルにあるような式で,自動的に決まります.この値はモデリングしたセルの寸法から割り出した値です.1波長当たり20セルで十分精度がとれます. (なお1波長当たり10セルにとったとき,分散誤差は2%以下です.
文献:"The Transmission-Line Modeling Method TLM", Christos Christpoulos,
IEEE PRESS IEEE Order No. PC3665 )
媒質の特性値として,現在導電率,比誘電率,比透磁率が設定できますが,誘電体損失の効果を与えるために等価的な導電率を設定します.
Version 5.5以からは,媒質の磁気的な損失を定義でき,x,y,z方向にそれぞれ導電率,比誘電率,比透磁率を定義できるようになっています.
Version 7からは,周波数依存性を定義するDebyeパラメータを算出するDebye Calculatorが用意されました.
フェライトを正確にモデリングするには,周波数依存とテンソル透磁率を表現しなければなりません.今後のリリースで定義できるように計画しています.フェライトが等方性媒質あるいは軸方向に異方性があると仮定できる場合はモデリングできます.
解析モデルの大きさ自体に制限はありません.使用できる実装メモリ容量によります.
TLM Cutoff(上限)周波数はマニュアルにあるような式で決まります.この値はモデリングしたセルの寸法から割り出した値ですが,フーリエ変換を行う前処理のフィルターで,この値以上に設定できます.但しあまりかけ離れた値では誤差が大きくなります.
"return" はいわゆるリターンロスで,20log10|S11| で求められます.
2ポートの場合,トランスミッションロスは20log10|S21|ですが,1ポートモデルのlossは,デバイスの(熱)エネルギーロスと考えられます.
Version 4.0以降,集中定数素子の抵抗,キャパシタ,インダクタは,定義できるようになりました.
現在は含むことはできません.Sパラメータ出力結果をTouchstoneフォーマットに変換し,SPICEなどの回路シミュレータに渡して解析できます.
現在はDouble-Exponential,Gaussian,Sine,Puls train については可能です.Convolveモジュールでインパルスと畳み込むことができます.
BALUNをモデリングすることは可能です.現実のものとまったく同じにモデリングしますから,例えば同軸の周囲に1/4波長のスカート部をつけたシュペルトップ(阻止管)またはスリーブ・バランといったモデルになります.
Version 5.5からは1ポートデバイスの正規化Zを出力できるようになりました.またVersion 6.0からはZ-inputのグラフを表示できます.Version 4.0以前をお使いのユーザは,以下を参照してください.
Version 4.0以前では,直接この値は出力しませんが,給電線の特性インピーダンスを正確にモデリングしたものは,たとえばZo=50 OhmsにしてS11 を求め,
ModはModulusの略ですから絶対値のことです.
ワイヤー系のアンテナでは入力の1Vがワイヤー上で共振しますので,リーズナブルな値です.
ホーンアンテナの例題では,導波管内の伝送モードとして電界をかけてTEモードを設定していることになります.Cavity等で励振したものではなく,伝送してホーンの外に出た電磁界から遠方界パターンを求めていますので,値は小さいですがGainの値は正確です.
まずアンテナの放射パターンを求めるときには,work_spaceをアンテナの寸法の約3割程度離した位置に設定します.例えばホーンアンテナの開口部の最大寸法をLとすると,開口部付近は,開口部の端からx,y,z各方向へ0.3L程度離した位置にwork_spaceを設定します.
以上は最小限の寸法ですから,メモリーに余裕があれば,アンテナからx,y,z各方向へ1波長程度以上離した位置に設定してください.
終端(Termination)されていないと,Sパラメータの結果に大きなリップルが現れたりします.終端の仕方は,同軸線路やマイクロストリップ線路ではAbsorbing Boundaryにすることで実現できます.(サンプルSec_5_data/microstrip_filter)
なお,Version 5.5からは,ポートの設定がより簡単になりました.
1. 解析するデバイスがポートに対して幾何学的対称で無損失ならば
2. 同様に無損失デバイスの両ポートが同じタイプの導波管や伝送線路
3. 片側のポートの寸法が異なる場合などは,幾何学的対称ではなくなるので,
Version 5.5からは,モード励振を含むポートの設定がより簡単になりました.
方形導波管TE11モード励振サンプルファイルのダウンロード(23.2KB)
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